歯周病治療について
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歯周病とは
歯周病は歯を支える歯周組織が破壊されていく怖い病気!
歯周組織は歯を支える歯ぐき(歯肉)、その下の骨(歯槽骨)、そして歯と骨を繋ぐ組織(セメント質と靱帯(歯根膜))からなります。それらが徐々に破壊されていく病気です。また重度になると全身にも悪影響を及ぼしますのでとても怖い病気であると理解しましょう。
歯周病の進行に伴う歯周ポケットの形成
原因は、すでにお口の中に住み着いている歯周病菌の異常繁殖です。
多くの人は食べかすが原因だと思っていますが、それは間違いです。虫歯も歯周病もそれぞれの原因菌が存在し、その異常繁殖を放置すると発現してきます。わかりやすく言うと、歯磨きが不十分であれば、だれもが歯周病になる可能性を秘めています。びっくりするかもしれませんが、小学生ではかなりの割合で歯周病の初期症状である、歯肉炎が発現しているのです。
歯の汚れ、プラークとは食べかすではなく細菌の塊です!
歯周病は日本人のほとんどが罹患し、年齢とともに悪化していきます。
歯周病菌が突然お口に入ってくると歯周病になる、ということではありません。すでに子供の時からお口の中に住み着いている細菌なのです。その歯周病菌が異常に繁殖することで歯周病菌になりますので、歯磨きが上手にできない方は経年的に歯周病に罹患します。一般的に歯周病は35歳以後に始まると言われ、年齢とともに罹患率も重症度も悪化していきます。お年寄りに入れ歯の方が多いのは、歯周病が日本に蔓延している証拠ですね。
年齢以外に歯周病を悪化させる要因(副要因)。これを知ることが大切!
たばこ
若いうちから喫煙習慣のある人は歯周病の発症が早まる傾向がありますので、年齢の割に重度の場合が多いです。一方、喫煙者では歯周病治療の効果も低いことが明らかにされています。歯周病治療では禁煙することが最大の近道です!
噛みしめ癖と歯ぎしり
近年特に問題となっているのは起きているときの強い噛みしめ癖や寝ているときの歯ぎしりです。すでに歯を支える歯周組織が破壊されている状況では、より歯槽骨の破壊が進行します。しかし一方で、歯周病の進行していない歯でも、その歯が破損することで、そこから歯周病が進行します。歯周治療後にも歯を失う最も大きな問題です。
糖尿病
糖尿病では細菌感染しやすい状況に陥ります。歯周病菌に対しても同様で、糖尿病のコントロールが不良であれば、歯周病が悪化することが知られています。一方で、近年、歯周病治療により糖尿病が改善すること例も多く報告され、歯周病と糖尿病の密接な関係が明らかにされています。
唾液量の減少
歯周病菌を駆除する能力の一つに唾液による自浄作用があります。この唾液の量やパワーを減弱させる要因は歯周病を増悪させます。鼻の通りが悪く習慣的に口呼吸をする人では歯肉が腫れやすい特徴があります。また、基礎疾患の多い高齢者では、多くの薬を服用していますが、薬の副反応として唾液減少が見られる場合も多いです。
治療は歯周病菌を歯周ポケットから徹底除去すること、そして副要因の排除です。
歯周基本治療
歯周病治療では歯周病菌を徹底的に駆除するための治療を歯周基本治療を言います。歯周病の重症度に関係なく、すべての歯周病治療で行われるものです。
患者様自身が行う歯磨き(セルフブラッシング)
歯周病は歯周病菌の歯肉への感染で発症しますが、現時点では薬で治すことはできません。地道にブラッシングをし続けることでしか歯周病を治せないのです。特に歯と歯の間の歯磨きが重要で、必須です。セルフブラッシングが上手くなり、それを継続することが出来れば、歯周病治療は80%成功です。
歯石の除去(スケーリング・ルートプレーニング)
多くの方は歯石が歯周病の原因のように考えているようですが、歯石は歯周病菌の化石です。よってそれ自体はすでに病原性を発揮してはいません。しかし、歯石の周りには歯周病菌が非常に多く存在していますので、除去する必要があるのです。しかも重要なのは歯周ポケットの内側にある歯石です。
歯周外科手術
歯周基本治療を行うと歯周組織の炎症は大いに改善します。しかしそれでも歯周ポケットが浅くならない、歯槽骨の改善が見られなない場合には歯周外科手術を行うことがあります。ただし手術を行わない方法も選択できます。
フラップ手術(保険適応です)
とても深い歯周ポケットの中に残存している歯石を除去するため、歯肉を一旦剥離して、歯石除去を行います。
歯周組織再生手術
目的は失われた歯槽骨の再生です。これには適応症がありますのでどの部位でも行うということではありません。
リグロス(保険適応)
フラップ手術の際に歯周組織再生剤リグロスを歯周組織に塗布します。日本歯周病学会が開発に関わった日本製の歯周組織再生材料です。
エムドゲイン(自費治療)
スウェーデン発の歯周組織再生剤で、世界で最も広く用いられているものです。リグロス同様、フラップ手術時に歯周組織に塗布します。
GTR法(自費治療、一部保険適応)
フラップ手術に歯槽骨が再生する場を確保するためにコラーゲン膜を埋め込む手術です。この手術には骨移植術を併用することがほとんどです。
歯肉移植手術(自費治療、一部保険適応)
目的は失われた歯肉を増やすための手術です。これは審美治療にも行われる術式です。
咬合治療、矯正治療
歯周病が重度に進行すると歯は揺れるようになりますが、実際には歯の位置も変わってしまいます。よって、長期に安定してよく食べられ、ケアしやすい状態、すなわち、歯周病を再発しにくい環境整備をするために、矯正治療で歯の位置や角度を整え、咬合治療で噛む力を広く分散させていくことはとても重要です。
歯周病により病的に移動した歯の矯正治療
メンテナンス
歯周病治療を一度行っても歯周病菌がお口から全くいなくなるわけではありません。よって治療後は再度歯周病菌が繁殖することを抑制するメンテナンス治療をするべきです。
メンテナンスの効果
メンテナンスをしっかり行うことで、以前行われていた多くの歯周外科手術に匹敵する効果が得られることがわかってきました。近年、話題となっている歯周外科手術は歯槽骨の再生を目的とした歯周組織再生手術です。これは適応症が限られるものであり、どなたにも、あるいはどんな部位でも行えば失われた骨が再生するということではありません。
歯周病安定期治療(SPT: Supportive Periodontal Therapy)
メンテナンスでは歯周ポケット内の歯周病菌を病的なレベルに増える前に除菌するためSPTを行います。このSPTの感覚は概ね3~4か月と言えますが、歯周ポケットが深く、また部位が多く残っている場合は1~2か月になります。
噛み合わせの管理(力のコントロール)
特に注意すべきは歯にかかる力のコントロールです。メンテナンスステージでは歯磨きが上手くできているだけでなく、機能的にも安定した状態を維持することが必要です。ここで重要なのは咬み合せのバランスや、噛み癖、歯ぎしりの状況を常に管理しておくことです
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新潟県新潟市にある、とみい歯科医院です。
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